・損益通算がポイント
不動産の譲渡による損失は、原則として不動産の譲渡による利益とだけ損益を通算できます。
しかし、居住用不動産の譲渡損失で一定のものについては、給与所得や事業所得などと損益を通算できます。
年収が2000万以下の会社員は、年末調整で所得税の清算をしますが、これでは一定の居住用財産の売却による損失は考慮されないことになります。
そこで、確定申告で損益通算を行い、課税所得を減少させることで源泉徴収されていた税金を取り戻すことができます。
事業者の場合は、一定の居住用不動産の売却による損失を事業所得などと損益通算をして、予定納税で払った税金を取り戻したり、確定申告で納める税金を現象させたりすることができます。
・損益通算により所得控除が増えることもある
一定の居住用不動産の売却による損失を損益通算しなければ、合計所得金額が1000万を超えているような人は、年末調整の段階では「配偶者特別控除」の適用はありません。
しかし、損益通算をした結果、合計所得金額が1000万以下になれば、配偶者特別控除の適用が受けられることがあります。
・損失が大きいとき
一定の居住用不動産の売却による損失が大きくても、給与所得などと損益の通算をしても、まだ赤字が残るとき、または赤字にならないまでも、所得が76万未満になった場合に、妻に税金がかかるくらいの所得があれば、妻の所得税の計算上、夫を「配偶者控除」や「配偶者特別控除」の対象として、妻の所得から所得控除することができます。
また、妻には所得はない場合でも、親や子に所得があれば、所得が38万以下なら親や子の扶養親族になることも可能です。
・売却損が大きい場合
一定の居住用不動産の売却による損失が大きくて事業所得などと損益通算しても、まだ赤字が残るときは、損益通産後ぼ赤字の金額は、期限内に申告すれば翌年以後3年間、繰り越すことができるという「居住用財産の譲渡損失の損益通算・繰越控除」という制度があります。
この制度を受けるには、確定申告書を期限内に提出することが条件です。
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