・配偶者控除の対象
贈与税の配偶者控除の対象になるのは、居住用不動産そのものの贈与か、居住用不動産を取得するための金銭の贈与のいずれかです。
・居住用不動産の贈与
居住用不動産の現物贈与を受けたときは、贈与税の計算は、建物については「固定資産税評価額」、その建物の敷地となる土地については「路線価方式」か「倍率方式」で、その評価額を計算します。
・居住用不動産取得のための金銭贈与
居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受けたときは、その金銭で居住用不動産を、贈与の年の翌年3月15日までに取得する必要があります。
また、現金の場合には、贈与を受けた金額そのものが贈与税の課税価格となります。
・不動産現物と金銭のどちらを贈与するほうがトクするのか?
不動産の現物贈与は、その評価額は時価より低くなるのが通常です。
したがって、仮に居住用不動産の評価額が時価の80%であるとき、時価2000万の居住用不動産の贈与があったときでも、贈与税の課税対象になるのは2000万x80%となります。そのため贈与税の配偶者控除を適用すれば贈与税額が発生しないことになります。
一方、現金の贈与を受けて時価2000万の不動産を取得したときは、2000万が贈与税の課税対象になり、贈与税の配偶者控除を適用しても贈与税を納付する必要が出てきます。
結論としては、現金より現物で贈与したほうがトクということになります。
しかし、居住用不動産を取得してすぐにその不動産を贈与した場合には、不動産を取得した段階で、登録免許税等の登記費用や不動産取得税がかかり、さらに贈与の段階ではもう一度登記費用などがかかります。
また、取得直後の贈与の場合には、不動産を取得するための金銭の贈与ではないか、と税務署に解釈されることもあるようです。
そのため、不動産の現物贈与をするときは、取得後数年経過してから贈与するなどしておいたほうが無難だと思います。
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