・「現況調査報告書」とは
現況調査とは、裁判所が、競売不動産の権利関係や事実関係を把握するために、裁判所が命じた執行官という専門家により行われる、物件についての現状の調査のことです。
執行官は、調査後の結果を裁判所に報告するのですが、その報告された文書が「現況調査報告書」です。
「現況調査報告書」は、最低売却価格の決定、引き渡し命令をするときの判断資料、物件明細書の作成のための重要な資料となるものです。
下記は主に記載されている項目です。
その中でも、占有者の表示および占有の状況の記載は、引渡し命令を受けられる物件かどうかを判断することについての重要なポイントになります。
@「受命物件の表示」
競売物件の所在地が示されます。
A「現況地目」
現在の土地の利用状況が記載されます。
B「占有者の表示および占有の状況」
現実に不動産を占有している現実の占有者が記載されます。
占有形態で最も多く設定されているのは、「短期賃借権」でしたが、現在では法改正により対抗できるようになっています。詳細は下記「参照」をご覧ください。
C「執行官保管の仮処分」
競売物件に、「占有移転の仮処分」がされていることがありますが、これは、その不動産についての、所有権の争いがあり、解決するまでその占有を他人に移転することが禁止され、執行官が一時保管するという形をとるものです。
この仮処分がされていると、登記簿には記載されませんが、売却によってもその効力は失われませんから、買受け人は所有権を取得できても、引渡しを受けられません。
D添付書類
・物件所在地・見取り図・写真が添付されています。
現場調査や物件の調査、判断に必要です。
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