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失踪宣言制度と手続き
■失踪宣言制度について
配偶者が行方不明の場合、公示送達の申出をして判決が下れば離婚することができますが、これだけでは、ただ離婚することができただけです。
しかし、財産があるようなときにはどうなるのでしょう?
もし財産があるのであれば、「失踪宣言」制度について慎重に検討してみることが必要かもしれません。
失踪宣言とは、生死不明の者の死亡認定をして、法律関係をいったん確定させるための制度です。
失踪宣言により、離婚という形をとらなくても婚姻関係は消滅し、行方不明の者の財産は遺産として相続人に相続されます。
■失踪宣言の種類と必要な失踪期間
・普通失踪
特別失踪に該当する原因がなく、生死不明の失踪期間が7年続いた場合。
7年が満了すると、死亡したものとみなされます。
・特別失踪
特別の危機、(海山での遭難・飛行機墜落・等)に遭ってから失踪期間が1年続いた場合。
危難が去ったときに、死亡したものとみなされます。
■失踪宣言の手続き
利害関係にあたる配偶者が、家庭裁判所に失踪宣言の申請を行います。
申請後に、家裁は生死不明の調査をして事実確認をした後に、「失踪宣告」の審判を下します。
これにより、法的に生死不明の者の死亡が認定されたことになりますので、遺産相続の手続きが行えます。
なお、失踪宣言後に、本人が戻ってきたという場合は、「失踪宣言取消」の申立てが行えます。
これにより、身分も財産も戻ることになるのですが、全てというわけにはいかない時もあります。
例えば、生死不明の者の配偶者が再婚していた場合や、財産が分配された後に使われた分については取り戻せません。
■参照
・失踪宣告・ Wikipedia
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